2.火災を鎮圧する

消火の科学から消火技術の開発まで
 火災は人がコントロールできなくなった燃焼といえます。多種多様の可燃物は、いろいろな燃焼形態によってそれぞれ複雑な現象をともなって燃焼します。このため、消火の方法もバラエティーに富んだものになります。ここでは、消火の基礎から消火剤と消火技術、そして地球環境との係わり合いまで、幅広い研究をしています。


地球環境の保護と消火

 成層圏オゾン層を保護するため、高性能であったハロン消火剤の生産が禁止されました。オゾン層を破壊しない新消火剤を用いて確実に消火ができ、しかも人間にとって安全な使用条件を研究しています。さらに、地球環境にも十分配慮したものとなるよう研究しています。(ハロン消火剤による成層圏オゾン層の破壊)


大火の延焼阻止

 阪神・淡路大震災を契機として、少ない水で効果的に大火の延焼を阻止する技術の開発が要請されています。水に浸透剤や防炎剤を少量添加することによって、水だけによる場合に比べ約3倍の付着浸透効果を持つようになり、防炎効果と相まって、格段の延焼遅延効果を発揮させることができます。(ふつうのクリブ剤は燃焼し尽くしたが薬剤を散布したクリブ剤では延焼が阻止されています。)


複合消火剤

 液化二酸化炭素の噴出流で水を吹き飛ばすことにより、高速流の微粒状水噴霧が簡単に形成できます。これは、半密閉室内火災の消火に極めて大きな効果を発揮します。それは、微粒状水噴霧が容易に気化し、そのときの冷却作用ならびに水蒸気および二酸化炭素の窒息効果が最大限に発揮されるためです。(液化二酸化炭素で発生させた高速水噴霧による室内火炎の消火実験)


空中消火技術

 空中からの消火の方法のひとつとして、 消火用水の入った水のうと呼ばれる布製タンクをヘリコプターに吊り下げて搬送し、火災上空から放水します。この空中消火をより効果的に実施するため、多くの問題を克服しなければなりません。消火用水放出後、空になった水のうはフラッターおよびダッチロールと称される揺れの現象が発生し、飛行が危険になることがあります。この危険な現象を防止する方法などさまざまな研究を行っています。(水のうの風洞実験)


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