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1 過密都市空間における火災に対する安全確保
ニューヨークWTCの超高層ビルへのテロ攻撃、韓国テグ市の地下鉄放火火災など、近年、過密都市空間において、過去に経験したことのない規模や種類の火災が発生しています。このような災害において、消火・救助・避難を強力に支援できるよう、わたしたちは地下施設などにおける火災の拡大や煙の流動、温度上昇などを予測する研究や、消防隊員が安全かつ効果的に消防活動を行えるよう、「ナノテク」を用いた消防用防火服の研究を行っています。また、首都直下地震などでは、阪神・淡路大震災のような大規模な市街地火災が危惧されており、このような場合に発生のおそれがある「火災旋風」という現象の解明にも力を注いでいます。
  • 消防活動が困難な屋内空間における、火災・煙・有毒ガスのシミュレーション。
  • 燃焼実験データベースの構築。
  • 市街地火災時の「旋風」・「火災旋風」の現象解明をめざして。
  • 「ナノテク」を用いた、消防用防火服の研究。
  • 2 化学物質の火災爆発防止と消火
    消防法では、ガソリン"や"灯油"のような火がつきやすい物質や、一度火がつくと急激に燃え広がるなど消火のしにくい物質を「危険物」と定義し、さまざまな安全対策がとられてきました。しかし、科学技術の進歩や、環境問題への取り組みの発展にともない、火災や爆発の危険性が十分把握されていないリサイクル資源や新たな工業材料が誕生し、「危険物」として新たに追加されるべきものが出現しています。わたしたちは、新しい物質の危険性を解明したり、消火技術を確立したりするなど、より安全な社会の実現をめざした研究開発を行っています。
  • 危険物質の危険性評価の研究。
  • 廃棄物と廃棄物処理施設の危険性評価。
  • 石油タンク火災の性状解明と効果的な消火方法。
  • ガス系消火剤に関する研究。
  • 3 石油タンクの地震防災と経年劣化対策
    地震多発国、日本。わが国の石油タンクは、これまで幾度となく地震の被害を受けてきました。また、石油タンクが数多く設置されている臨海部は、鋼鉄製のタンクにとっては腐食などにより劣化しやすい厳しい環境です。ここ十年間、石油タンクの腐食による油の漏洩事故は増加傾向にあります。わたしたちは、石油タンクの安全性をより向上させられるよう、地震発生直後に石油タンク本体や浮き屋根が受ける被害を推定して緊急対応に役立てたり、石油タンクの経年劣化の状態を診断したりするための研究を行っています。
  • 石油タンク底部の、腐食状態を診断する。
  • 地震時に「浮き屋根」がどのように揺動するか把握する。
  • 「やや長周期地震動」を予測する。
  • 石油タンクサイトにおける「揺れ」の情報から、石油タンクの被害を推定する。
  • 4 大規模自然災害時の消防防災活動
    近い将来マグニチュード8クラスの巨大地震が発生するおそれのある地域が、わが国には数多く存在します。たとえば想定東海・東南海・南海地震が同時に発生すれば、死者約27,000人、経済的損失は約94兆円に上ると予想されています。また急峻な地形がひしめくわが国は、ひとたび豪雨に見舞われると洪水や土石流、地すべりなどの土砂災害が発生しやすく、毎年多くの犠牲者を出しています。このような自然災害から住民の生命・財産などを守る上で、消防活動が重要であることはいうまでもありません。わたしたちは、地震など大規模自然災害時に有効な消防防災活動を実現できるよう、研究開発を行っています。
  • 同時多発火災発生時の、消防力の最適運用。
  • 被災地で活動する消防隊どうしの通信と、情報共有の効率化。
  • 崖崩れなど、土砂災害現場における救助活動支援。
  • 防災情報を、正しくもれなく周知する。
  • 災害に対応する、自治体の意思決定支援。
  • 5 特殊災害に対する安全確保
    消防隊員の地下鉄サリン事件における被災や、JCO核燃料加工施設での臨界事故による放射線被ばく、三重県のゴミ固形化燃料(RDF)施設火災での殉職など、「特殊災害」で消防隊員が犠牲になっています。消防隊員は、前例や経験のない未知の火災や災害にも迅速に駆けつけ、災害の拡大防止・火災の早期鎮圧・救助に努めなければなりません。特殊災害による被害を減らすためには、消防隊員自身の被災を防ぎ、効果的な消防活動を可能にする技術を開発することが不可欠です。わたしたちは、特殊災害が発生した際、消防活動を始める前に災害状況を把握するための手法を開発したり、高度な消火技術を確立したりするための研究を行っています。また、消防隊員の安全を確保し負担を軽減できるよう、消防活動支援ロボットや救助資機材の開発も進めています。
  • 原子力発電所における、消防技術の確立。
  • リサイクル資源化施設の爆発対策。
  • 消防活動を支援する、ロボット技術・救助資機材の開発。
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